いす式階段昇降機の役割と選ぶ際のポイントについて
2021.04.28 Category:いす式階段昇降機とは
階段昇降機とは、自身では階段の上り下りが難しいという人が、安全に、負担なく階段を利用できるようにするための装置をいいます。なかでも「いす式階段昇降機」は、階段上にレールを設置し、その上を移動する椅子に座って階段を上り下りできるという形の製品です。
「いす式」ではない階段昇降機としては、車椅子ユーザーの方が車椅子のまま乗ることができる車椅子用階段昇降機や、設置したレール上を移動するのではなく、介助者が付いて運搬するような形で利用者に移動してもらう可搬型階段昇降機などがあります。
一般に「階段昇降機」と言った場合は、このいす式階段昇降機を指している場合が多いのではないでしょうか。
ご高齢などで階段が負担になった方を中心に、一般家庭から施設まで、幅広く利用されています。
いす式階段昇降機の役割
階段昇降機には大きく2つの役割があると言えます。転落防止と身体の負担軽減です。
転落防止
高齢者にとって階段は危険な場所です。高齢者の不慮の事故による死亡は、交通事故による死亡より数が多いとされ、そのうち半数以上を占めるのが「転倒・転落」「不慮の溺死及び溺水」といった家庭内の事故です。
家庭内で起きる「転倒・転落」のリスクの多くが階段にあることは想像に難くないでしょう。
いす式階段昇降機があれば、座ったまま階段の上り下りができますから、階段での転倒・転落の心配はほぼなくなります。高齢による家庭内での事故リスクを大きく減らせるということです。
身体の負担軽減
階段昇降機の利用は、安全であることに加えて、上り下りが楽になるという点も見逃せません。
運動不足の解消や筋トレの一環として、エレベーターを避けて階段を利用しているという人がいますが、これは階段がそれだけ身体に負荷をかけるものであることをあらわしていると言えるでしょう。
階段を上り下りする動作は脚や腰へ負荷をかけますし、運動は全体として心臓への負担にもなります。もちろん、ある程度の運動をすることは健康のためにも必要なことですが、高齢による体力・筋力・バランス能力の低下にともない、階段の上り下りは過剰な負担になり、転倒・転落のリスクにもつながります。
介助の負担を減らせるというメリットも
自分自身で階段を上り下りするのが負担だという場合、介助が必要になります。
階段の上り下りの介助は時間もかかりますし、転倒・転落リスクに気をつけながらになりますので、介助者の負担も大きいと言えます。ご家庭の状況によっては、介護士だけでなく、ご家族が介助をしなければならないことも多く、一般の方が行うにはあまりに負担が大きいものと言えます。
弊社にご相談いただいた方のなかには、「抱えて上り下りしていた」「3人がかりで介助していた」という方もおられました。これが毎日となりますと、日常生活にもかなりの負担を強いている状況です。
階段昇降機の導入により、介助の手間や負担がなくなるとしたら、ご家族や周囲の方にとっても大きなメリットがあると言えるでしょう。
設置の検討・製品選びは専門家に相談を
階段昇降機の設置にあたっては、まずは専門の業者に相談をしましょう。
階段昇降機は、ほとんどのご家庭で設置が可能ですが、それでも、状況によっては設置が難しいケースがあります。
- ・階段幅が極端に狭い
- ・階段が急角度
- ・上り口・下り口周辺が狭いか、ドアなどに干渉する
上記のような場合、設置が難しいケースもあります。問題なく設置できる場合でも、階段距離や設置状況によって費用が変動することはあるので、基本的には設置前に現場を確認したうえで見積もりを行うのがスタンダードです。
また、一口に階段昇降機と言っても、多数のメーカーからさまざまな製品が販売されています。機能面やデザインの違いもありますが、設置状況に適しているかという点が重要です。そのため製品選びという観点でも、専門家の視点を取り入れるのが大切です。
階段昇降機は一般にはあまりなじみのない特殊な製品ですから、専門知識を持つプロのアドバイスを受けながら検討していくことをおすすめします。
もちろん、弊社でもご相談をお受けしていますので、お気軽にご連絡ください。