故障かな?と思ったら…①~直線タイプの階段昇降機が動かないとき
2021.12.14 Category:階段昇降機をお使いいただいている方から、「故障かも?」ということでいただくご連絡について、よくあるものとその原因、対処法などをご紹介したいと思います。
タイプ別にシリーズで紹介していきます。第1弾として、今回は、「直線タイプの階段昇降機が動かないとき」について解説しましょう。
実は、「階段昇降機が動かない!」と思っても、機械的な故障であるケースは実は少ないです。そのため、メンテナンスにうかがわなくても、お電話だけで解決してしまうケースも多いのです。今回は特に多い3つのパターンを紹介します。
(1)いす回転を戻していない
階段昇降機は、壁を背にする形でいすが移動し、上り下りしていただきます。標準的な設置では、上階に到着した後、いすを回転させて足を着き、降りていただく形になります。(※間取りや生活動線によっては乗り上げという形で設置することもあります)
このとき、いすが回転したままの状態だと、安全上、階段昇降機は動かない仕組みになっており、そのまま下階に降りることはできません。
いすを回転させて上階で降りたあと、後ほど、下階へ下るためには、回転させたいすを元の方向に戻す必要があります。
(2)駆動部に何かが触れている
階段昇降機は、安全のために、移動中に少しでもなにか異常を感知するとストップする仕組みになっています。
そのため、いすの下の本体部分(駆動部と言います)が、なにかに触れている状態だと、動作することができません。
下階側を玄関付近に設置している場合、靴などが触れていて動かないケースがよくあります。やわらかい、ぬいぐるみなどでも反応してしまいますので、本体付近に何も物がないか確認してみてください。
(3)電源が入っていない
単純なことですが、シンプルに電源が入っていないため動かないというケースも多いです。
お手元の操作スイッチの電源を、知らないうちに切ってしまっているというパターンが多いようです。
正確には、操作スイッチの電源が切れても、本体そのものには電気は流れているのですが、操作ができないため、結局は動かないということになります。
壁などに呼び戻し(呼び送り)スイッチを設置してご利用いただいている場合、手元の操作スイッチの電源が切れていると、壁の呼び戻し(呼び送り)スイッチでも動きません。普段、壁の呼び戻し(呼び送り)スイッチで操作していただいている場合、「動かない?」と思ったときは、手元のスイッチも確認いただく必要があります。
また、操作スイッチには電源ボタンとは別にキーがあり、これが挿入されていないと、やはり動きません。
このキーは、屋外に設置する場合などに、イタズラ防止で、使わないときには外しておくためのものです。電源ボタンとキーを併用すると操作方法が難しくなるので、屋外利用の場合、ボタンかキーのどちらかに統一してのご利用をおすすめしています。
以上、階段昇降機が動かない場合の原因についてまとめました。今回紹介したケースは、簡単にチェックでき、すぐに改善できるものですので、まずは確認されてみてください。
今回は直線型の場合としてお伝えしています。曲線型は少し異なる部分もありますので、また回をあらためてお伝えしたいと思います。