段差解消機の使い方
2019.05.27 Category:車いすを利用している方や足腰が弱っている方にとって必要不可欠なアイテム・段差解消機には手動式と電動式があります。介助者がハンドル、またはペダルを使って動かく手動式は、力の弱い女性でも介助可能ですが、ひとりで昇降できないのが難点です。電動式はボタンひとつで操作でき、介助者なしでも使用できますが、足を挟むなど、トラブルがあったときにすぐ助けられないので注意が必要です。
車いすを使っている人や足腰が弱っている人は、ちょっとした段差でも乗り越えるのが難しく、場合によっては日常生活に支障をきたしてしまうことがあります。特に玄関の段差は部屋と部屋の段差より高さがあるため、車いすの方がスムーズに昇降するのは不可能です。
そこで誕生したのが、車いすでも簡単に段差を上り下りできる段差解消機です。簡単な操作で段差を昇降できるので、スムーズに家に出入りすることができます。ただ、段差昇降機にもいろいろな種類があり、それぞれ使い方に違いがあります。
段差昇降機には手動式と電動式の2タイプがありますので、ここではそれぞれの使い方を順番に説明します。
・手動式は介助者がハンドルか足踏みペダルを使って動かす
手動式の段差昇降機では、リフトを動かすのにハンドルまたは足踏みペダルを使用します。
具体的な使い方としては、まずリフト部分に車いすを載せ、介助者がハンドルを回すか、あるいは足元に設置されたペダルを踏み込みます。すると徐々にリフトが上昇。玄関の上がり口と同じ高さになったら、車いすを押して家の中に入ります。
リフト下降時はロック解除レバーなどを引くだけでOKなので、ハンドルを回したりペダルを踏んだりする作業は上昇時のみとなります。
車いす+要介護者を昇降させるのは大変と思われがちですが、油圧式のジャッキを採用しているので大きな力は必要なし。女性でも簡単に昇降させることができます。
ただ、ハンドルにしてもペダルにしても介助者が動作させなければならないので、一人だけで段差を上り下りできないのがネックです。
・電動式はボタンひとつで操作できるから楽チン
介助者が必要不可欠な手動式に対し、車いすの人間が一人でも段差を上り下りできるのが電動式段差昇降機です。
電動油圧式の駆動方式を採用しており、リフト内部に設置されている操作盤で動かすことができます。
昇る時も降りる時も動作は同じで、車いすをリフトの上に載せたら、「上昇」または「下降」ボタンを押すだけ。後は自動的にリフトが昇降するので、地面または上がり口と同じ高さになったらリフトを降りて移動します。
ボタンを押すだけというシンプルな使い方なので、介助者がいなくても手軽に段差を移動できるのが大きな魅力となっています。
・足の挟まりや転落も?段差昇降機を使用する場合の注意点
車いすを利用している方や足腰が弱っている方にとって非常に便利なアイテムですが、使い方に注意しないとケガにつながる可能性があるので注意が必要です。
手動式、電動式のどちらでも注意すべきポイントは同じですが、電動式の場合、ひとりで利用できる手軽さがメリットである反面、何かあった時に周囲に人がおらず、助けられないというデメリットがあります。
発生したトラブルの内容によっては命に関わる可能性もあるので、使用上の注意はよく守るようにしましょう。
注意点1.足を挟んでしまうトラブルに注意
玄関の「上がりかまち」の中には、土台から少し飛び出た形のデザインをしたものがあります。このタイプでは上がりかまちの下に少し空洞ができるのですが、段差昇降機で昇る際、リフトぎりぎりのところまで前進していると、空洞部分と上がりかまちの間に足を挟んでしまうおそれがあります。
空洞があるタイプの上がりかまちに段差昇降機を設置する場合は、車いすがちょうどリフトの中央あたりに来るように調整し、あまり前進しないよう注意しましょう。
注意点2.車いすのブレーキはしっかり掛ける
段差昇降機は地面に対して垂直に動きますが、車いすの車輪は滑りやすいので、ちょっとした振動で前後に動いてしまうことがあります。
特に危険なのは後ろに動いてしまった場合で、昇っている途中に車いすが後ろに動いて転倒すると後頭部を強打してしまう危険性があります。
そのため、段差昇降機のほとんどには転落防止の手すりやフェンスがついていますが、安価な商品の中にはそうした転落防止策が採用されていないものもあるので注意が必要です。
もし手すりやフェンスがついていたとしても、リフトに乗ったら車いすのブレーキを忘れずに掛け、昇降中に車輪が動いてしまわないようしっかり固定しましょう。
・段差昇降機は正しく使って安全に移動しましょう。
段差昇降機は玄関の昇り降りに苦労していた車いすの利用者または介助者にとって非常に便利なアイテムです。
電動式であればボタンひとつで昇降できるので、介助者の手を患わせるのは気が引けるという方にもおすすめできます。
ただ、正しく利用しないと上がりかまちに足を挟んだり、リフトから転落してしまったりするおそれがあるので、使用上の注意をよく読んだ上で安全に昇降するようにしましょう。
スマイルリフトでは、段差解消機もお取り扱いしています。お気軽にご相談・お問い合わせください。