踊り場のある階段に階段昇降機を2台設置するケースとは?
2022.02.14 Category:こちらの写真をご覧ください。このように、踊り場を挟んだ階段に対して2台の階段昇降機を設置するケースがあります。
ときどきあるケースですので、今回は、なぜこうした設置を行うのかなどをお伝えしたいと思います。
曲線型の設置が不都合なときにご提案
先に結論から申し上げますと、このような設置を行うのは、曲線型の設置では不都合がある場合です。
階段昇降機は大きく直線型と曲線型があります。L字に折れた階段や、コの字型に踊り場のある階段、らせん階段などは、曲線型を設置するのが基本です。
ですが、曲線型の設置は、階段状況に合わせて専用のレールを加工しなくてはならないことから、直線型に比べると、
・設置までの日数がかかる
・費用がかかる
という問題点があります。
中間踊り場があるタイプの階段も、本来であれば曲線型の機種を設置します。しかし、上記のような点が不都合な場合は、踊り場を挟む上下の階段の直線部分に、それぞれ1台ずつの直線型階段昇降機を設置するプランをご提案します。
2台設置のメリット
では、踊り場を挟んだ階段に、曲線型階段昇降機を1台設置する場合と、直線型階段昇降機を2台設置する場合の違いについて見てみましょう。
●費用が抑えられる
曲線型と直線型の費用差が大きいため、直線型を2台設置したとしても、曲線型1台設置の場合より、費用が抑えられることがあります。
標準的な価格で、料金を比べてみましょう。
<レンタルご利用(2年間)の場合>
曲線型レンタル
・初期費用:35万円
・レンタル料金:月額25,000円×2年間=60万円
合計:95万円
直線型2台レンタル
・初期費用: 5万円×2台=10万円
・レンタル料金:月額13,000円×2年間=31万2,000円
合計:41万2,000円
※いずれも屋内の場合で、価格は税別です
※曲線型の初期費用は設置状況によって異なりますので、必ず安くなるとは限りません
<ご購入の場合>
曲線型設置費用(設置費込みご購入価格) :約150万円
直線型設置費用(設置費込みご購入価格) :1台あたり約60万円×2台=約120万円
曲線型のほうが費用が高い理由は、レールを、階段の曲がりに合わせて加工する必要があるためです。曲がり具合は階段によって違うため、実質、オーダーメイドのような形でレールを用意しなくてはなりません。
●設置までの期間が短縮できる
直線型設置のもうひとつのメリットは、曲線型に比べて早めに用意ができることです。
お伝えしたとおり曲線型の設置はオーダーメイドでレールを加工しなければならないため、どうしてもそのための時間がかかってしまいます。対して、直線型であれば、工事日程の都合がつき次第、設置が可能です。
そのため、たとえば、ご利用者様の退院の都合などで、「今すぐ設置したい!」といったときなども、対応できる可能性が高まります。
2台設置の注意点
とはいえ、常に2台設置のほうが優れているというわけでもありません。
費用については、設置状況によって異なりますので、実際に見積もりをしてみないと、2台設置のほうが確実に費用が抑えられるとは明言できないものです。
ほかにも、以下のような点に注意が必要です。
●必ず設置できるとは限らない
階段形状によっては、2台設置が難しい場合や、安全上の理由などから、おすすめできないケースもあります。
事前にお写真を拝見したり、現地調査を行うなどして個別に判断していくことになります。
●乗り換えが必要
本来なら曲線型1台とするところを、直線型2台で代用する形になるので、踊り場部分で階段昇降機の乗り換えが発生します。
平坦な踊り場とはいえ、階段昇降機を必要とされる利用者様が、問題なく乗り換えられるかどうか、ご状態をよく吟味する必要があります。
設置時期や費用面で問題がないのであれば、やはり、曲線型1台設置のほうが、座ったまま踊り場も含めて移動することができ、ラクであることは間違いありません。
以上、踊り場のあるタイプの階段に、直線型を2台設置するケースについて紹介しました。
このように、弊社では踊り場階段だから曲線型しかつけられないと決めつけて考えるのではなく、ご利用者様のご都合や、個々のケースに応じて、2台設置などを提案させていただいています。
階段昇降機の設置は、その後、便利かつ安全にご利用いただけるよう、どのように設置するのかのプランニングも非常に重要です。
検討されている方は、ぜひいちど、ご相談ください。