階段昇降機が介護問題を解消する
2020.03.12 Category:階段昇降機でシニアの怪我の予防策を
厚生労働省が発表した2017年版の「高齢者白書」によれば、65歳以上のシルバー層が怪我をする場所の第一位は「住宅」です。事故全体の77パーセント以上で抜きん出ています。家庭内のどこで起きるのかといえば、1位が居室、2位が階段で、3位がキッチンとダイニングです。家具などにつまずいたり、階段から落ちたりするといったことが考えられます。住まいには高齢者にとって障害物となる可能性があります。ひとり暮らしの高齢者や家族と同居しているシニア世代を守る居住設備に「階段昇降機」があります。
ホームエレベーターとの違いは何でしょうか。ホームエレベーターの特徴は、サポートする人と一緒に乗れる、車椅子が入る広さがメリットとして挙げられます。ほかにも、大きな荷物や物を移動させる際にも利用できて便利です。一方で、住居の躯体が強固でエレベーターを取り付けるスペースが必要になります。階段昇降機は、階段の壁面に専用レールを取り付ける方式で、施工が大掛かりでなく、工事期間が短くすみます。
階段昇降機にはさまざまな種類があり、椅子に座るタイプや車いすに乗ったまま上り下りができるタイプがあります。真っすぐな階段にフィットするよう設計されたレールの昇降機や階段の途中に踊り場があるケースに対応した商品もあります。レールのバリエーションが豊富にあれば選択肢が広がり、階段の形状に適したものが見つかりやすいです。座椅子のカラーや材質にもこだわりがあれば、壁とマッチするデザイン性の高さも実現できます。屋内に限らず、外階段で転ぶリスクもあります。玄関に行きつくまでに階段がある家には、屋外設置も欠かせません。階段昇降機は、家の内外で転ぶ危険から足腰が不自由な家族の身を守る安全対策になります。
レンタル活用で「自分でできる」喜びを
介護用施設である特別養護老人施設への入居条件が狭まり、「要介護2」以下の高齢者は原則として除外となりました。介添えがあれば入浴や排せつ、起き上がりや歩行が可能な部分介助で日常生活が送れる度合いの人たちは、施設利用ができないのが現状です。独居老人の方や、手助けするご家族が仕事などで手を貸すことがなかなかできない場合、階段昇降機の利用で居住内の移動が自力でしやすくなり、手助けする人たちの負担軽減にもつながりやすくなります。軽度でも歩行が難しい方は、外出先や屋内で足元がおぼつかなく、転倒する危険性があります。それを回避する役割も期待されます。福祉施設に入居しない方の居宅内の安全管理面で役立つ可能性があります。
気になるのは、階段昇降機を利用することで本当に自立性が高められるのか、安全確保が十分に保証されるのかどうかということです。業者によっては、レンタルができるところもあります。実際に利用してみることでメリットとデメリットがわかります。カタログやショールームではわからない点を補うサービスです。日本国内どこでも取り付け出張するところかどうかも抜かりなくチェックします。
ほかのサポート用品を貸し出すサービスをしている介護用品会社もあります。例えば歩行サポート専用の杖や歩行器などです。階段昇降機のほかにも介助アイテムが加わることで、安全性がより高くなりますし、同時依頼で手間がかかりません。支援品が充実することで、歩行困難な方がリスク少なく自力で自宅内での動きがしやすくなりますし、介助者にとっても安心材料になります。ただ、介助用具でもどういった特徴がありどれが適しているかなど、素人にはわからない面があります。不明な点のフォロー体制が整っているかはポイントです。専門スキルを持つ「福祉用具選定士」の資格所有者が在籍しているかどうかは、依頼先の選択目安になります。
階段昇降機で介護ストレスを少なくする時代へ
古い情報になりますが、2003年に内閣府が発表した「高齢者介護に関する世論調査」で、介護をどこで受けたいかという質問に対して、出来る限り自宅を望む人の割合が44.7パーセントと全体の約半分近くを占めています。対して、2016年の新聞報道では、居宅介護をする側の肉体面と精神面で「限界を感じたことがある」数値は73パーセントと高く、介護される側とする側との不一致があります。
時代ともに介護される側の意識変化があるとしても、上記に示したように施設への入居がしにくい状況になっています。ちなみに2016年時点で、特別養護老人ホームへの入居条件をクリアしている人でも待機状態の件数は約36万6千人です。介護の場が居住先にならざるを得ない実態がわかります。
高齢化社会の介護に関する課題解決におすすめなのが自宅介護補助をするアイテムです。特に階段昇降機は日常生活のうえで欠かせない移動を補佐してくれます。商品のクオリティーや会社の特徴、付帯サービスなど、支援を受ける家族と支援する家族双方の救世主になるよう、しっかりと見極めをしたいものです。