階段昇降機の助成金と補助金の活用について
2019.06.10 Category:階段昇降機を導入したいけれども
要介護の方が家族にいる場合、その方を移動させるのはなかなか大変な作業となります。特に一戸建ての場合、階段の上り下りのフォローをするのは、介助する人間にとっては重労働です。高齢化社会の進んでいる現在、このような介助する人をサポートできるような福祉用具もいろいろと出てきています。その中の一つに、階段昇降機があります。機械を使って要介護者をいすに乗せて上り下りできるようなアイテムです。階段を自力では上り下りできないような人でも手軽に移動することが可能となります。また高齢者の場合、足腰が弱くなっていることが多くあります。このため、階段を降りるときに足を踏み外して転落してしまう恐れもあり、実際にこのような事故もしばしば起こります。高齢者の場合、骨折などの大きなけがにつながる危険性もあります。しかし階段昇降機があれば、階段を下りるのが怖いという高齢者のも安心です。
階段昇降機は介護保険の有無に関係なく設置することが可能です。家庭での導入に興味のある世帯も多いのですが、実際導入するのは躊躇してしまうという人も少なくありません。その理由として、導入費用の問題があります。それなりにまとまった金額が必要になりますので、予算が足りないという方もいるでしょう。介護保険を使って設置しようと思っている人もいますが、階段昇降機の設置費用は介護保険の適用外になってしまいます。こうなると、ますます自宅に設置するのは難しいと思う人が増えるばかりです。しかし階段昇降機を導入するにあたって、公的なサポートもいろいろと用意されています。このような制度を活用できないか、いろいろと検討してみることも大切です。
補助金制度の導入を検討しよう
その中でも特に補助金制度の活用は、経済的な負担を少しでも軽減できるので情報収集してみると良いでしょう。補助金とは、国もしくは地方自治体が設置費用の一部を支給するお金のことです。ちなみに原則借り入れではないので、将来にわたって返済する義務はありません。借り入れといわれると、今後の返済計画が心配という人もいるでしょう。しかし、返済の必要がなければ気軽に申請できるので考えてみてはいかがでしょうか。
ただし補助金はだれでも申請すれば給付されるわけではありません。補助金給付にあたって条件が設定され、それをクリアしている人が申請できます。しかも申請すれば確実に給付が受けられるわけではなく、審査が行われ、通過した人だけが受給できます。そして補助金の給付の審査条件については、各自治体によって独自に設定されています。
まず給付を受けるにあたって、自分の住んでいる自治体の条件がどのようになっているか確認することから始めましょう。
一例を紹介すると、東京都のある区では、要支援・要介護認定を受けている人が対象です。なおかつ階段昇降機が必要と認められた場合に支給が実施されます。それが東京都の他の区になると、要支援・要介護認定を受けているにプラスして65歳以上であること、日常の動作が困難となっていることも加わります。各自治体のホームページで、支給のための条件が記載されていますので、こちらで情報収集すると良いでしょう。また、直接自治体に行って相談する方法もあります。福祉担当課もしくは市区町村にある社会福祉協議会に窓口が設置されているので、こちらで問い合わせするのも一つの方法です。
給付の際の条件なども確認しよう
階段昇降機で補助金を受給するにあたっては、いろいろな条件がありますので注意しましょう。まず訪問調査といって、自宅を訪れて介護を必要としている人がどのような状態か、設置することになった場合の階段の状況などをチェックします。例えば住宅によって、階段の形状は異なるでしょう。直線式になっているところもあれば、コーナーが途中で設置されていて湾曲した形状の階段もあるでしょう。階段の形状によって、階段昇降機の設置費用も異なります。それに伴い支給される補助金の額も異なりますので、訪問調査で形状を確認する必要があるのです。
また補助金を受けるにあたって、設置する業者が決められている場合もありますので注意しましょう。その自治体が認可している業者の中から設置業者を選ぶ必要がある場合もみられます。もしそれ以外の業者に依頼した場合、給付の条件を満たしていても支給が認められなくなります。指定業者といっても、いくつかの選択肢はあるでしょう。この場合、どこに依頼するかも慎重に選定することです。設置工事の良し悪しや費用で比較することももちろん大事です。そのほかにも、設置した後のメンテナンスがどのようになっているかも比較ポイントに入れておきましょう。一度設置すると長期間使用し続けることも十分想定できます。もしかするとその間に故障などの不具合が生まれる可能性もあります。その場合に、迅速に修理などの対策をしてくれるかどうかも前もって確認をとっておきましょう。
階段昇降機の役割と選び方について
階段昇降機は主に福祉の現場で活躍をしている設備です。実際に使われている場面はいくつか存在していますが、これから導入をするにあたっての役割について知っておきたい方もいるのではないでしょうか。まずはどんな役割があるのかについて紹介します。
1つ目は体への負担軽減や転落事故の防止です。例えば身体に障害を持っている方や、自力では昇ることができない方が無理やり階段を使用しようとすると負担が大きくなったり転落に繋がることもあります。こういったリスクは最小限に抑えたいと思うご家族も多いでしょう。階段昇降機があれば万が一介護者が不在であっても階段の昇り降りをサポートしてくれるので魅力的です。家の中でも安全に生活するためには必要不可欠な設備と言えます。
続いて2つ目は、家族や介護者の介護における負担を軽減することができる点です。階段昇降機などの便利な設備は家族や介護士にとっても負担の軽減につながります。実際に身体を自分で動かすことができない人を一人で支えて移動させるというのはとても体力的にも辛いことです。特に女性が一人で運ぶ場合には負担が大きくなりますが、階段昇降機があれば家族や介護士の負担も大きく軽減することができます。このように役割について説明をしましたが、導入する時は選び方も大切です。次に選び方のコツについて説明をします。
快適に利用するためには利用者の意見を聞きながら選ぶようにしましょう。例えば自分で体を支えることが難しいという人は安全面も考えてベルトが付いているものを選んだ方が落下防止に繋がるので安心です。それぞれ利用者によって好みが異なるので、まずは自分に合うタイプを選ぶためにも直接販売店を訪れて自分の目で見てみるなどすると、より納得のできる階段昇降機を選ぶことができます。
次にかけられる予算について具体的に決めておきましょう。種類によって異なりますが、基本的に安くても数十万円程が必要になります。事前に予算を決めておけばどのタイプを選ぶか絞ることができるのでより選びやすくなります。また、設置方法によっても価格が変わることがあるので、予めチェックしてから本体を選ぶようにするといいです。選ぶときは基本的に販売店でどれを選んだらいいか尋ねれば利用者に合った階段昇降機を提案してくれます。特に迷っている人は一度相談してみるといいでしょう。このように、役割と選び方について紹介しましたが、今後購入を検討している方はチェックしておきたい項目です。
階段昇降機の助成金について
階段昇降機は助成金を申請することが可能です。助成金を申請することができれば、購入者の負担が少なくなるため、自宅や施設などに導入しやすくなっています。しかし、全ての高齢者が申請できるということではありません。また、対象者は各都道府県や地域によっても異なります。例えば、地域によっては65歳で要支援以上、尚且つ動作が困難な方が助成金の対象者になることができるところもあります。他の地方では60歳以上の人で1階に居住が難しい方であれば申請ができるところもあります。このように地域によって対象者の年齢が異なるので助成金を申請したい人はお住まいの地域ではどのような方が対象者になるのかを調べてみましょう。
また、助成金の基準額も異なります。例えばある地域では助成金を100万円まで申請できるところもあります。このように対象者だけでなく、受けられる上限金額も異なります。このように対象となるためには条件をクリアしなければならないため、必要性を感じていても金銭的な負担から導入ができない人も少なくないでしょう。そのような方はレンタルを利用してみてはいかがでしょうか。レンタルを利用すれば初期コストを抑えることができるので、助成金を利用することができない方でも月々の支払いは必要になりますが、導入しやすくなります。しかし、設置が必要になるため、設置費用は初期コストとしてかかりますが、購入するよりも安い価格で導入ができます。設置は代行で行ってもらえるので体を自由に動かすことができない人でも導入しやすいです。
階段昇降機を購入するための業者の選び方のコツ
階段昇降機の購入を検討している人もいますので、販売設置業者の選び方を紹介します。選び方はまずどのぐらいの設置事例があるかどうかです。設置事例を見ることで実際に取り付けた階段昇降機を確認することができます。また、どのぐらいの人が利用したのかも知ることができるので、安心して購入することができる人も少なくないでしょう。
その他の選び方としては取り扱い製品の種類が多いかどうかです。実際に商品によって機能や素材に違いがあります。基本的に設置したいと考える人の中には自分好みの製品を導入したいと思う方が多いので、豊富な種類の製品を扱うところを選択することで自分好みの製品を取り入れやすくなります。