階段昇降機を設置する際の条件
2020.08.06 Category:階段昇降機の設置を検討する場合、設置が可能かを考えなければなりません。
今回は、階段昇降機を設置する際の設置条件、条件に合わない場合の対処法などを解説します。ぜひ参考にしてください。
階段昇降機を設置できるか判断できる7つの設置条件
階段昇降機の設置可否を判断するには、設置を検討している階段が設置条件に適合しているか確認する必要があります。
階段昇降機の設置条件について1つずつ解説します。
- 階段の幅(有効幅)を確認する
階段昇降機を設置する場合、階段の幅(有効幅)を確認しましょう。直線階段の場合は75cmくらい、曲がり階段の場合は80cmくらい必要です。
階段昇降機は階段の形状に合わせたレールが設置されます。一般的な住宅の階段幅は75cmくらい確保されています。
しかし、古い住宅や生活空間を優先した設計の住宅の場合、階段がせまく作られている可能性があるため確認が必要です。
もし有効幅よりせまい階段だった場合でも、階段を一部改修することで設置可能となるケースもあります。
- 階段(踏板)の材質を確認する
階段昇降機は階段の踏板に直接固定して設置します。
一般的な階段の材質である木材・コンクリート材・鉄材などであれば問題なく取り付け可能ですが、特殊な材質の場合は、現場調査後に支障のない設置方法を十分に検討する必要があります。
- イスの収納スペースを確認する
階段昇降機はイスの座面・足台・肘掛けを開いた状態で使用しますが、使わないときは折りたたみます。折りたたんだ状態でも機種によって壁から24~37cmくらい出っ張りがあるため、イスの停止位置を決める際には注意が必要です。
階段に十分なスペースがある場合には、乗り口・降り口にイスを停止させるだけではなく、使用しないときは階段から少し離れた場所で停止させておけるようなレール設計も可能です。
- レールやイスがドアや通路に干渉していないか確認する
階段昇降機のイスの停止位置すぐそばにドアがある場合、階段昇降機の設置に支障がないか事前に検討が必要です。
階段昇降機のイスを折りたたんだ状態で、ドアの開閉ができるかが設置可能な最低ラインです。現状での設置が難しい場合、ドアの開閉方向を変更するか、ドアの撤去などで対応する必要があります。
また、階段下すぐにドアや通路がある場合、レールが下階フロア側に30cmくらい飛び出してしまいます。
ドアがすぐ近くにある場合は開閉に支障が出るでしょう。通り抜ける廊下に接している場合は、飛び出るレールに躓いて転倒してしまう危険もあります。
こうした場合には、折りたたみレールを使用することをおすすめします。階段昇降機を使用しないときは飛び出る部分のレールを外しておけば、転倒のリスクは抑えられます。
- コンセントの位置と空きを確認
階段昇降機は本体搭載のバッテリーからの電力供給によって動作します。バッテリーの充電には交流100Vから直流24Vに変換する充電器を設置するため、階段近くにコンセントが必要です。
一般的な家庭用の100Vコンセントで問題ありませんが、既設のコンセントの位置が階段から離れている場合や、ほかの用途で使用していて空きがない場合は、階段近くに新しく100Vコンセントを設置する必要があります。
- 床下暖房がある場合は床下状況を確認する
階段昇降機を設置するには、階段やフロアの上にレール固定の架台を設置する必要があります。そのため床下暖房を設置している場合には注意が必要です。
住宅の設計図面を確認し、施工業者に床下状況の確認をとるなどして架台が固定可能なポイントを決めなくてはなりません。
- 屋外階段に設置する場合は道路境界線を確認する
階段昇降機は屋外階段に設置するケースもあります。建物の敷地内でレールが設置できるなら問題ないのですが、立地によってはレールやイスが敷地外にはみ出してしまうかもしれません。
屋外階段は公道に面しているケースも多く、敷地と公道の境界を超えないように注意して設置する必要があります。
階段の1段目から境界線までのスペースが狭い場合、レールやイスが境界線をはみ出してしまうため、階段昇降機の設置ができない可能性もあります。
境界線に干渉する場合は事前に設置図面を作成して、どうすれば設置可能になるか十分に検討しましょう。
階段昇降機を検討するときはまず設置条件を確認しよう
階段昇降機を設置するためには、設置条件に適合する必要があります。
導入を検討する際には、設置する階段の有効幅やコンセントの位置、レールやイスの停止位置とドア位置との関係など、設置条件を必ず確認しましょう。
現状では設置条件に合わなくても、一部改修やレールなどのタイプ変更で設置可能になる場合もあります。
まずはお気軽にお問い合わせください。